店主は、けちん坊である。(忘れん坊のうえ、粗忽者で。三重苦?)
ゆえにゴミ出し袋は、詰め放題バーゲンに出くわした賢明な主婦さながら、
袋の限界までに挑戦する。(こともある。)
そして、いつもゆったりと棄てられた人様のゴミ袋を横目でみては、
「自分であればあの三倍は詰められるだろう。」と豪語し、優越にひたるのであった。
しかしながら、満杯とならないことはよくある。
鶏が先か卵が先か?
店主は、道端や空き地に落ちているゴミを我がゴミ袋の隙間に詰めるようになった。
ほどよく袋は満杯になる。が、この行動には、大原則がある。
いくら拾いたい空き缶があっても金属の日以外は、見て見ないふりをする。
(プラの日は、プラで)「ああここにあるな」と目星をつけるのみだ。
店に持ち帰るのなどはもってのほか、絶対にしてはいけない。ご法度と決めた。
これをつづけること幾年月??
あら不思議。ゴミのポイ捨てが激減したのである。これが割れガラスの原則か。
店主のゴミ袋は、程よく満杯。空き地は美し。八方よしの大満足だ。
しかし、鼻息あらく、成果を報告する店主に家族は、
「よそ様のゴミを拾って、自分のおうちが汚いとご近所さんに笑われるよん。」と、のたまう。
相変わらず、スパルタなのであった。