あのひと①
ヨミガエリちゃん。と呼ばれたシルバーアロワナが水槽から消えて数カ月たった。
いつもながら、空っぽになった水槽がさびしい。
が、X氏(当初からの目撃者である)は、なぜか、そのことにはふれない。
きっと、「蘇りちゃんは、とうとう、“鬼籍のひと”となったのだ。」と
思われたにちがいない。だから、
「売れました。リーズナブル価格で」
とご報告すると、少し驚かれた由。
ヨミガエリちゃんは、あくまで運のよいお魚さんで。
“腕に覚えあり”の凄腕アクアリストさんにお買い上げされ、設備も申し分ない。今もげんきです。
あの人②
当店で今でも、猫騒動とひそかに呼ばれているのが、ネコのみーちゃんのことだ。
店主、ここではいえない筆舌に尽くしがたい?苦労をして、
やっとみーちゃんを今のお宅にもらっていただいたのだが。。
もらわれてたった数カ月で、ごらんのような巨体になった。
うれしい再会。ご対面なのになぜか彼女、伏せ目がちで恥ずかしそうだ。
可愛がられすぎでは、あるけれど、巨体だってメッチャ?可愛いけれど、
今後の健康が心配になった。
僭越ながら、元飼い主は、「病気になったら迷惑をかけちゃうなぁ~っつ。」
と遠回しに遠慮がちに言ってみる。
あれから、さらに、数カ月。
すっかり、無事、健康体になったみーちゃんは、
そして、今、犬の銀ちゃんと大勢のご家族とにぎやかに暮らしている。
めでたしっ。といったところだ。
新しいご主人が、いまだに「おーい。ねこ。 ねこ。」と
呼んでいるのが。すこし、(とても)気にはなったけれど。
みーちゃんもいたってげんきだ。